競走馬生産

日本中央競馬会発行Q&Aより

トレーニング・センターへの入厩方法と手続き

馬主は、調教師と預託契約を結ぶことにより、所有する競走馬を調教師が 管理する厩舎に入厩させることができます。入厩の時期については、各馬の 調教の進捗状況等によって異なります。また、出走までの在厩期間を定めた 規定があります。

競走馬登録の仕組み

レースに出走するためには、競走馬として登録を受ける必要があります。 競走馬登録は、預託先の調教師を経由して美浦もしくは栗東トレーニン グ・センターに登録料5,000 円を添えて申請書を提出して行います。

また、申請の際には、ジャパン・スタッドブック・インターナショナル発行の馬名登 録通知書のほか、所有権を確認するために、馬所有念書・印鑑 登録証明書・馬匹売買契約書の写し・血統登録証明書等を添付することにな っています。

なお、一度競走馬登録された馬名を変更したい場合は、中央・地方・外国 のいずれの競走にも未出走である場合に、1回に限り変更が認められます。

服色登録の仕組み

中央競馬では、馬主は自分の服色を使用して競走に馬を出走させることが できますが、そのためには服色登録をする必要があります。これも預託先の 調教師を経由して美浦もしくは栗東トレーニング・センターに登録料3,000 円を添えて申請書を提出して行います。

服色に使用できる色や模様には制限があり、馬主一人につき一種類の服色 を登録できます。しかし、競走においてやむを得ない事由により登録を受け ている服色を使用することができない場合は、日本中央競馬会が定めた服色 を使用することができ、逆に服色の登録を受けていない馬主は、日本中央競 馬会が定めた服色を使用しなくてはなりません。

所有馬に関して馬主がしなければいけないこと

所有馬を競走に出走させるためには、調教師と預託契約を結び、競走馬登 録を行い、出走予定競走への出馬投票を行わなくてはなりません。これらの 登録については、全て調教師を自らの代理人として委任することができます。

競走馬が入厩してからかかる経費

調教師に支払う預託料には、主なものとして厩舎関係者の人件費、馬糧費、 特別登録料等があり、その他競走馬にかかる治療費、放牧に出た場合の輸送 費等が別途かかります。 ただし、治療費の一部は「中央競馬馬主相互会」から補助されることとな っています

また、競走に出走するための美浦・栗東両トレー ニング・センター~競馬場間の輸送費は馬主の負担とはなりません。

1頭の競走馬を共同で所有する場合

中央競馬に登録された馬主同士の場合に限り、競走馬を共同で所有するこ とができます。現在、共有は1頭につき10 人まで認められており、共有馬 主全てについて所有を確認するため、馬所有念書・印鑑登録証明書・馬匹売 買契約書の写し等を添付した上で、預託調教師を経由して美浦もしくは栗東 トレーニング・センターに提出することとなっています。

なお、共有に際しては代表者を1名決めることとなっており、出走時に出 馬表に記載される馬主名や服色は代表者のものが使用されます。また、賞金 の振込についても全て代表者に振込まれます。

競走馬を他の馬主に売却(譲渡)

入厩した馬を他の馬主に所有権移転する場合、売却の場合は馬匹売買契約 書の写し、譲渡の場合は譲渡証明書を、預託調教師を経由して美浦もしくは 栗東トレーニング・センターに届け出ることとなっています。その際、新た な所有者の馬所有念書・印鑑登録証明書も同時に提出していただきます。

なお、馬の所有権の一部を移転する場合にも同様の手続きが必要となります。 また、中央競馬の馬主以外の者に売却(譲渡)した場合、当該馬は出走で きなくなり、そのままの状態で60 日を経過すると競走馬登録を抹消されま す。

馬主名義貸し

競馬法では、中央競馬の馬主登録を受けた者でなければ中央競馬の競走に 馬を出走させることができないことになっています。 従って、登録馬主が自分の馬主の名義を登録のない第3者に貸し、その者 の所有馬を自己の馬のごとくに偽って競走馬登録し出走させることは「名義 貸し」に該当します。

こうした行為は厳に禁止されていると同時に、関与した馬主・調教師には、 馬主登録や調教師免許の取消といった厳しい処分が科せられます。 また、1頭の馬を複数の者で所有する場合でも、登録馬主同士の共有で なければ認められません。馬主登録のない者と共同で馬を所有することも 名義貸しに該当します。

この他、個人登録馬主が、自ら経営(あるいは出資、親族が経営等も含む) している法人で所有する競走馬を個人の所有馬として競走馬登録し出走さ せた場合や、個人所有の競走馬の収支を法人で経理処理している場合、また、 逆に法人登録馬主が、経営者個人や他の関連法人で所有している競走馬を法 人馬主の所有馬として競走馬登録し出走させた場合も「名義貸し」に該当し ます。

競走馬を借り受けて出走

競走馬登録を行うことのできる馬は、馬主が所有権を取得したもの(売買、 譲渡、自家生産、仔分け等による)に限られており、賃貸借契約に基づいて 一時的に借り受けた馬を登録し、競走に出走させることは所有者への「名義 貸し」に該当することとなります。

なお、売買契約に際し、競走馬登録抹消後に当該馬を買い戻す特約を付す ことについては問題ありません。

地方競馬で出走している馬の中央競馬に転入

地方競馬に出走したことのある馬は、定められた賞金額を収得していなけ れば中央競馬に転入することはできません。その金額は年齢により定められ ており、この場合、獲得賞金を全て算入するのではなく、競馬番組一般事項 で定められた基準に従って算入される賞金が決まっています。

競走馬登録を申請した日以前の6ヵ月間出走していない馬は転入する ことができません。

地方競馬で未出走だった馬は、3歳の6月までであれば中央競馬に 競走馬登録をすることができます。

中央競馬の登録を抹消し地方競馬に転出した馬についても、再び中 央競馬の競走馬登録が可能となっていますが、中央競馬の登録を抹消した日 によって条件が異なります。その条件とは、中央競馬を抹消した日が平成24 年12 月31 日以前の馬は地方競馬所属時に2勝以上、平成25 年1月1日以 降の馬は中央競馬に再び登録する時点での馬齢が2・3歳であれば、地方競 馬所属時に2勝以上、4歳以上であれば、3勝以上となっております。

入厩検疫と出走までの入厩義務期間

日本中央競馬会の施設外から日本中央競馬会の管理する施設に入厩する 場合は、必ず入厩検疫を受けなければなりません。

出走するためには、中央競馬の競走に出走したことのない馬は15 日間、出走したことのある馬 については10 日間、それぞれ引き続いて日本中央競馬会の管理する厩舎に 入厩していなければなりません。

調教師が預託できる頭数

現在、日本中央競馬会が調教師に貸付けている厩舎(馬房)は美浦・栗東 両トレーニング・センター合わせて約4,200 馬房あり、日本中央競馬会の 「厩舎貸付審査委員会」で、年毎に各調教師への貸付馬房数が決められてい ます。

これらの馬房数をもとに調教師毎に預託を受けられる頭数が決まっ ていて、各調教師はその数を超えて競走馬の預託を受けることができないこ ととなっています。

調教審査

厩舎に入厩した馬は、調教師の管理のもとで調教されます。 なお、はじめて中央競馬に出走する馬は、15 日以上本会施設内で調教さ れ、かつ調教状況の審査に合格しなくてはなりません。審査は調教全般につ いて行われますが、特に発走審査が重要です。また、はじめて障害競走に出 走する馬については、障害試験と呼ばれる障害調教審査が行われます。

実際の競走内容により、裁決委員から調教について再審査を命じられ た馬は、再審査に合格するまで再び競走に出走することができません。

EDIT by レイマニリーダー

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