ハンデキャップ競走

ハンデキャップ競走とは

競馬レーティング概念及びレーティング作成の手法はウィキペディアへの掲載を許諾いたしております。
こちらではより具体的な例を記載いたしております。

ハンデ戦の歴史

1700年代の初頭、現在でいうサラブレッドの3大始祖がイギリスに入り、種牡馬として供用された頃、急速に競走馬の質が向上し、スピードが増した。18世紀の中頃には入場料をとってファンを集める観賞用のスポーツとなる。この頃の競馬はその大部分がマッチレースであった。双方の馬主が負担重量等の条件を合意してレースは成立したが、しだいに重量に関する意見の不一致がもとで不成立が多くなり、その後自然の要求によって第三者であるハンデキャッパーが登場した。その様子を「ポンドルール」から引用すると「ハンデキャップマッチはA、B、Cが同額の金貨を帽子の中に入れる。ハンデキャッパーであるCが、AとBとのマッチの条件を作る。AとBは手を帽子に入れ、その手を引き出して交差させる。そして同時に手を開き、AとB双方が手に金貨を持っていれば、そのマッチは成立する。もっていないと不成立となる。この二つの場合はハンデキャッパーはすべての金貨を帽子から取り上げる。一人が金貨を持ち、他の一人が持たない場合は不成立となる。そして金貨を持った方は、帽子の中の供託金を自分のものとする権利を得るのである」この方法からレースは大幅に進歩し、一般レースにも応用された。大競馬場での最初のハンデキャップレースは、1785年、ニューマーケットのローリーマイルコースで一流馬14頭立てで行われた。1791年、アスコットのオートランドハンデキャップには4万人が集まり、100万ドルが賭けられたといわれている。1780年に創立された、ダービー200年の歴史とともに繁栄したイギリスの競馬は、現在でもその競走のほぼ50%が有名、無名のハンデ戦として施行されている。

ハンデキャップの作成

ハンデキャップの作成は、各馬が平常負担している重量を基礎に過去の成績を参考として、強い馬に加増し、弱い馬には減量する。近年平地競走では軽量、スピード優先の考えからクラシック級や種牡馬候補の馬でも比較的軽い重量で走れるレースが増えたため、重い重量は嫌われる傾向にある。特にここ数年、60kgを超した重量を背負い、かつ良い成績を残すサラブレッドは稀にしか見られなくなっている。そのため重量を増やすと出走を回避することにもつながる。また、軽い重量は騎手の体重の関係もあり、48kgをほぼ下限としている。 過去の競走成績と着順と着差は、ハンデ作成に当たって最も有力な資料となる。タイムと着差は各馬のスタートからゴールまでの所要タイムとゴールにおける先着馬との着差を馬身、ハナ、クビ等の長さで表示したものである。1馬身はおよそ1秒の1/5で、2馬身は1秒の3/10、6馬身は1秒に等しい。また1キロ重くなると1600~2000メートルの中距離で約1馬身遅くなり、短距離では半馬身、長距離では約2馬身の差があるとされる。たとえば「AとBが55kgで1600メートルのマッチレースを争い、双方全力を出しきった結果、AがBに1馬身1/2差をつけて勝った。この次の対戦で、AはBより57kgとBは55kgで同距離を走れば、BはAに1/2馬身先着するであろう」というのが机上の単純な計算である。しかし1競走の成績が、そのまま能力判定の決定的資料にはならない。成績に現れる着順は、各馬の調教状態、コース、距離の適否、馬場状態、レース展開、他馬の妨害、騎乗の巧拙等によって相違するためである。ハンデキャッパーはそれらを適切に判断し、あらかじめ発表されたコース、距離のハンデキャップレースに申し込みのあった負担重量を決定する。

ハンデ戦の斤量を決める基準

ハンデ戦は負担重量を調整して能力の均一化をはかるというものですから、出走するどの馬にも勝つチャンスがあります。 そのハンデをつけるにあたっての目安となる基準は、馬齢斤量を基礎として設定されます。夏番組以降の4歳以上馬の馬齢は57K(牝55K) ですから、条件クラスで示せば、当該条件の特別レースを勝利しているような実績馬は馬齢斤量の57K(牝55K)以上の斤量設定が 目安となっています。

ハンデが影響してくる斤量の目安、Pivotal Point

競走馬の能力発揮の限界となる重量は「Pivotal Point」と呼ばれ、その馬の体重の13%以内といわれています。 負担しなれている重量に対して2~3キロの増量の場合には、十分耐えられる馬が多いなか、一部には増量が大きく競走能力に影響する馬も存在します。 特に中距離より短距離や長距離の競走に、こうした例が多くみられます。

競走馬のデータはどのように管理されているのか

競走馬のデータ管理。JRAのハンデキャッパーが各個人のパソコンで「ハンデ台帳システム」というものを管理しています。 このシステムはJRAの基幹システムであるJARIS(競走馬情報管理システム、通称ジャリス)から各種データをダウンロードし、それに 個人的に分析した情報やレース・パドックで見た(感じた)内容などが書き込まれています。JARISから取り込む主なデータには、競走馬・ 競走成績(地方、海外を含む)レーティング情報などがあります。個人的に書き込まれるデータには、レースに関するもの(スタート状況・ 位置取りやコース取り、不利の有無・ペースや展開など)パドック、調教等での馬の状態、開催を通してのタイム分析・馬場情報です。 その他は、JARISから直接出力できる特別登録馬の対戦成績、各条件毎のハンデ重量一覧などのデータがあります。これらのデータを 利用することによって、きめ細かいハンデ重量の決定が可能になっています。

ハンデ重量O.5K刻みの適用

馬齢重量のグローバルスタンダードはメートル法の0.5単位であることが要因。実際に使用される場合は、馬齢斤量を超えるような実力馬の微妙な力関係からこの小数点を使用されることが多い。軽ハンデの馬に付けられることは稀である。」 それは未経験の重い斤量となれば、他馬と同条件で出走できる定量戦に回避される可能性が高い事が理由としてあげられる。 一例では1999年の日経新春杯に18頭の登録が あり、うち5頭がG1馬というハイレベルなハンデ戦の際、5頭のG1馬につけられたハンデは、メジロブライト59.5K、スペシャルウイーク59K、メジロドーベル57K(牝馬のアローワンスを換算すると59K)シルクジャスティス58K、マチカネフクキタル58Kという並びに なっている。実際の出走はメジロブライトとシルクジャスティス2頭のみであった。結果はメジロブライトが勝利している。

トップハンデを背負う実績馬に回避されないための策

ケースバイケースであるが、ハンデ戦で重賞実績馬や降級馬のような59Kを超える高い評価馬の場合、陣営の出走意欲を喚起するために、その馬のハンデをやや抑え気味に されることがあるが、その場合、他の登録馬が不利にならないよう適正な斤量差を保つことになっている。つまりハンデを全体的に低く設定するケースもある。 同じハンデ戦であっても、能力差の幅が小さい条件クラスの場合、そのような処置が適用されることはない。

力量がハンデにおける上下限幅を下回っている場合

ハンデ戦は1000万条件以上の特別競走に組まれます。いずれの競走条件にも、下級条件馬の登録は可能で夏のローカルともなれば、重賞競走にそうした馬が 出走するケースもあります。登録馬の中に下級条件馬がいた場合、トップハンデ馬との斤量差(=能力差)も大きくなります。我が国の競馬では、 実績的に能力が劣る馬の下限をオープンクラスで48K、他条件クラスで50Kと設定しクラスによる能力幅に応じた差を設けてあります。 したがって条件がいくつも下の馬が登録してきた場合には、額面通りの48K馬もいれば、実力的には47Kの馬も存在してしまう事になります。逆に実力的には62Kの馬が 59Kあたりで出走しているというケースもあり、ハンデ戦の予想ポイントは、馬齢を超えた斤量評価馬が出走した場合、当該馬が保有している各レースにindexされたレーティングを分析した上で適正な斤量設定なのか否か見極める判断が勝負の行方を決定するともいえなくもない。

競走体系の整備により、60Kを超える重ハンデ馬がいなくなった。

平成15年の4回京都オープン特別オパールSに登録したタップダンスシチーに60Kの評価ハンデ斤量が与えられましたが回避。昭和59年のグレード制導入以降、 番組面で競走体系の改善を重ねたことが原因と考えられます。収得賞金による別定重量戦がある一方、グレード別定によりG1勝ち馬に対する負担重量設定が 緩和されたことや、札幌記念や阪神カップのようにG2戦競走でも超一流馬の出走が可能な定量戦が増えたことで、60K以上のハンデを覚悟しなければ ならない馬は登録すらしなくなったことが要因です。

調教状態の良し悪しは、ハンデ設定に影響するのか

月曜日(週のはじめ)にハンデが発表されますので、調教状態を確認したあとハンデを決めることは物理的に不可能です。

↑ このページの上部へ